<真田誕生日小話・杉真編>





「・・・・・・・・・なぁ」
「何?どうかした?真田君」
「・・・・・・・・・何で俺はこんなところにいるんだ・・・?」
「それは僕が誘ったからだよ。オールスター・イーストVSウェストの試合のチケットが手に入ったから一緒に見に行こうって」
「・・・・・・・・・それは分かる、けど」
「チケットの代金のことなら気にしなくていいよ?僕から真田君への誕生日プレゼントだから」
「・・・・・・・・・何で杉原が俺の誕生日を知ってんだよ・・・」
「それは秘密」
「・・・・・・・・・」
「誕生日おめでとう真田君。今日は突然誘ってごめんね?」
「・・・・・・・・・」
(本日朝の10時にインターホンが鳴り、出たところ問答無用で引きずり出された。真田家の洗濯機の中にはまだ干していない洗濯が残っている)
「前もって約束したら郭と若菜君に邪魔されると思って」
「・・・・・・・・・『一緒に来なきゃ二人を呪っちゃうよ?』とか言ってたくせによく言うぜ・・・」
「だってそれが一番効果的でしょう?」
「・・・・・・・・・」
「気を悪くしたらごめんね」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・」(ニコニコ)
「・・・・・・・・・気に入らねぇ・・・」
「何が?」
「誘い方。英士と結人を盾にとるやり方が気に入らないって言ったんだよ」
「じゃあ僕がストレートに真田君をデートに誘ったらOKしてくれた?」
「・・・・・・・・・」
「きっと真田君は断っただろうね。僕と真田君はそれほど親しいわけじゃないから」
「・・・・・・・・・なら、何で俺を誘ったんだよ・・・」
「好きだから。真田君のことが好きだから」
「・・・・・・・・・」
「真田君の誕生日ってことにこじつけて、郭と若菜君を人質にして、そうしてでも真田君と一緒にいたかったんだ」
「・・・・・・・・・」
「手段は悪かったと思う。でも、真田君を想う気持ちは本物だから」
「・・・・・・・・・」
「郭や若菜君にも負けないくらい、僕は真田君を想ってるよ」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・」(ニコニコ)
「・・・・・・・・・」(居心地が悪い)
「返事、欲しいなぁ」
「・・・・・・・・・」(ビクッと反応する)
「分かってるけどね、YESの返事がもらえないことくらい。でも僕は諦めないから」
「・・・・・・・・・な・・・」
「伊達にロッサにいた頃から想ってきたわけじゃないよ?全力で口説きにいく」
「・・・・・・・・・口説くって・・・」
「もう手段は選ばないよ?郭や若菜君なんか蹴散らしてあげる」
「・・・・・・・・・」
「これからよろしくね、真田君?」
「・・・・・・・・・」



誕生日にされた略奪宣言。
今後彼の周囲が騒がしくなることは言うまでもなかった。





2002年8月27日