<真田誕生日小話・シゲ真編>





「何や、サナの誕生日20日だったんか」
「・・・シゲは7月だったんだよな」
「覚えててくれたん?嬉しいわぁ」
「・・・・・・誕生日、おめでとうございました」
「はい、どーも。サナこそおめでとさん」
「・・・・・・ありがと」
「でもゴメンな。誕生日プレゼントは用意してへんのや。今から買いに行こか?」
「いいって、そんなの。俺こそ何も準備してないし」
「サナに『おめでとう』って言ってもらえただけで俺は十分なんやで?ほなどうしよか」
「・・・・・・・・・一つだけ、お願いがあるんだけど」
「ん?」
「今度・・・・・・シゲが、京都に行くとき、一緒に行きたい」
「!」
「練習の邪魔はしないから。ただ・・・連れてってくれるだけでいい、から」
「何や、関西選抜の偵察か?」
「違う。そんなことしない」
「ならどしたん?急に」
「・・・・・・・・・迷惑なら、いいんだ」
「迷惑ちゃうけど。でも面白ないで?行って練習して帰ってくるだけやで?それでもええんか?」
「いいよ。それで、十分」
「・・・・・・分かった。ほな来週一緒に行こな」(可愛い&綺麗なもの好きのノリックの魔の手からどうやって一馬を守ろうか計画を練り始める)
「・・・ありがと」
「ええって。他でもない愛しいサナの頼みやからなぁ」
「・・・俺、関西って行ったことないから」
「そうなんか」
「行ったことあれば、雰囲気とか分かるんだろうけど。想像するしか出来ないし」
「・・・・・・」
「シゲの、生まれたところだろ?だから行ってみたいんだ」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・ワガママ言って、ごめん」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・シゲ?」
「ああもう・・・・・・」(『何て可愛いこと言うんや!喰ってまうでコラ!!』とか思っている)
「・・・・・・・・・?」
「連れてったる。一度なんてケチなこと言わへん、サナが望むならどこでも何度でも連れてったる」
「・・・・・・・・・」
「俺のおかんにも紹介するからな。もう決定や、逃がさへんで?」
「・・・・・・・・・逃げ、ないよ」
「サナは一生、俺といるんやで?」
「・・・・・・・・・うん」
「・・・・・・俺も一生・・・・・・サナの傍にいさせてや」
「・・・・・・うん」
「二人で、生きていこな」
「・・・・・・うん。絶対、離れないから」
「望むところや」



小さく笑って口付けて。
金と黒の髪が夏の風に揺れていた。
いつまでも、ずっと。





2002年8月26日