<真田誕生日小話・圭真編>





プルルルルル・プルルルルルル



「はい、真田です」
『あ、夜分遅くに申し訳ありません。山口といいますが一馬君はご在宅でしょうか』
「・・・・・・山口?」
『あ、真田?俺、俺、覚えてる?』
「ああ。ジュビロユースの山口だろ?」
『そうそう!あーよかった。真田が覚えててくれて』
「何だよそれ。ちゃんと覚えてるって。・・・でも山口が電話してくるなんて珍しいな。何かあったのか?」
『そーだな、普段はメールだし。でも今回だけはちゃんと真田に直接言いたかったからさ』
「?」
『一日遅れだけど。・・・真田、誕生日おめでとう』
「!」
『本当は昨日電話しようと思ってたんだけど、(電話の前で決心固めるのに時間がかかって気がついたら深夜だったから)出来なくって。・・・・・・遅れてゴメン』
「えっ、や、いいよ。・・・そっか・・・それで電話くれたのか」
『そう。会って言えないからさ、せめて声だけでも聞きながら言おうと思って』
「・・・・・・スゲー嬉しい。ありがと、山口」
『いえいえ。どういたしまして』
「でも、よく昨日が俺の誕生日だって知ってたな」
『(ギクッ!)以前のトレセンの合宿で誰かが言ってたのを覚えてたんだ』
「そっか」
『そうそう。(あぶねー。真田の写真と引き換えに須釜から情報もらったなんて言ったら郭と若菜に殺される)』
「わざわざありがとな」
『いいって。それとさ、もう一つ言いたいことがあって』
「何?」
『返事はいつでもいいから』
「うん?」
『俺、真田が好きだ』



ガチャン・プー・プー・プー



「・・・・・・・・・え?」



プルルルルル・プルルルルルル



「・・・・・・はい」
『俺の誕生日10月10日だからよろしく!』



ガチャン・プー・プー・プー





「・・・どうしろって言うんだよ・・・・・・・・・」
真っ赤な顔で受話器を握り締めた8月21日のこと。





<おまけ>
「あ、もしもし平馬!?俺やったぞ!ついに真田に告った!!」
『うげ、何それ!おまえ抜け駆けすんなよ』
「そんなの早い者勝ちだろ?とにかく俺はやったんだ!」
『うわームカツク。でも俺も真田に誕生日プレゼントは贈ったし』
「何だよそれ!聞いてねーぞ!」
『誰がわざわざライバルに教えるかっての』
「ちくしょー!」
以下エンドレス





2002年8月21日