Hope is you.

隣にいてくれてありがとう



1.六月 / そうして何度目かの準優勝の盾を受け取り、青葉城西の、岩泉の夏は終わったのだ。
2.八月 / 良く食べて、良く寝る。勉強も一応やる。それと、後は。
3.九月上旬 / 「岩ちゃんさぁ、俺に隠れて何やってんの?」
4.九月上旬 / それでいいと岩泉は考えている。重苦しいばかりでは人は進めない。
5.九月中旬 / 「変な顔って失礼な。この女子に人気の及川さんを捕まえて」
6.九月中旬 / 岩泉に牛島ほどの実力があったなら、もっと及川のトスを活かしてやることが出来るのに。
7.九月下旬 / 奪った分は、勝利の喜びで返してみせる。
8.十月上旬 / 「和久南は反対側のブロックか。うわ、烏野と一回戦で当たってる」
9.十月中旬 / 学校で刷られる三文判とは違う。少し厚手のそれは、先日行われた全国模試の結果だ。
10.十月下旬 / 春高予選が今日、始まる。
11.十月下旬 / 「信じてるよ、おまえら」
12.十月下旬 / 試合開始の笛が鳴る。意識を切り替え、目の前の相手に集中を高めた。
13.十月下旬 / その短くはない歩みに、明日、ひとつの決着がつく。
14.十月下旬 / 「俺らもおまえのこと信じてるっつーの」
15.十月下旬 / 打倒白鳥沢は宮城県内すべてのバレーボール部の悲願だ。
16.十月下旬 / 岩ちゃん。
17.十月下旬 / 彼らにとって、初めての全国大会出場である。
18.十一月 / 「学生時代の岩ちゃんは、全部俺にちょうだい」
19.十一月 / 冗談のように口にする超絶信頼関係は、及川の何よりの自慢であり、誇りだ。
20.十一月 / 世界を敵に回したっておまえの味方だ。
21.十一月 / 「岩ちゃん・・・昨日、起きてたの・・・?」
22.十二月 / 全力を出し尽くし、ひとつでも多く勝つことが出来ますように。
23.一月 / 悪いね、飛雄。思ってもいない謝罪を口にして、及川は鼻歌を奏でながらその場を離れた。
24.一月 / 音駒だけじゃない。他にもたくさん、自分たちの知らない学校が山のようにいる。
Last.三月 / 差し出された手を握り締める。絶対が、ここにある。