I wish...

幸せはどこにありますか



01 / 「今日はミネルバの進水式なのよ」
02 / それを笑い飛ばすような爆撃音が、響く。
03 / 「子連れでパイロットなんて無理してんじゃないの? お・ば・さ・ん!」
04 / 「・・・・・・もしかして、あの軍艦に行けって言ってんの・・・?」
05 / 懸命に主張するクロトに、デュランダルは微笑みかけて頷く。
06 / 「さすが綺麗事はアスハの御家芸だな!」
07 / そのまま落ちてしまえばいいのに、と。
08 / 『状況変化。ユニウスセブンにてジュール隊がアンノウンと交戦中』
09 / 小刻みに震え始めた拳が目に入り、オルガの思考が急激に冷めた。
10 / 『なーんでおまえがそこにいんの。オーブにいるんじゃなかったっけ?』
11 / 「あなたたちも。またいつか会えるといいわね」
12 / これがもしも例の人物なら、年は19になっているはずだ。
13 / 穏やかに笑うキラとラクスは、理想的な平和に見えた。
14 / 「・・・・・・僕がイっちゃったらさ・・・・・・止めて、ね・・・?」
15 / また会える。そう願って。
16 / 「うるせーよ、スティング! 負けてないって言ってんだろ!」
17 / 遠くに見える港に、灰色と赤の軍艦が停泊していた。
18 / 「俺は、ハイネ・ヴェステンフルス」
19 / 「あぁ・・・・・・来ちゃったよ。フリーダムだ・・・・・・」
20 / 動きを止めたモニターには、18歳のクロトが映し出されていた。
21 / 「あなたは彼らが連合の兵士だと知っていて、ミネルバに乗せていたの?」
22 / 俯いたシンの声がわずかに震える。
23 / 「この子はあたしたちと同じなんだから、こんなとこで死なせない・・・っ!」
24 / こんな温かい手を、自分は一人しか知らない。
25 / 「連合にいたんじゃ選べることなんて一つもなかったから」