Vicino

私と彼は、ただのクラスメイトという関係でした。



--------------------日常
01.少女の朝 / 起きて、カーテンを開けることから一日を始める。
02.少女の午前 / 「ねぇねぇ、英語の宿題やってきた?」
03.少女の昼 / 「C組の小林さん、山本君のこと好きなんだって」
04.少女の午後 / 「うん。笹川さんと黒川さんはどっか寄ってくの?」
05.少女の夜 / おやすみ、と挨拶して自室へと引き上げる。
--------------------喪失
01.崩壊 / そこの公園を過ぎたところで、ふたりの道は違えるはずだった。
02.予測されるべき未来、彼の甘さ / 「君は俺が守るから」
03.絶望へ堕とす声 / 一般人を巻き込むことはマフィアの信条に反する。
04.少女の死 / 「せめてもの情けだ。一瞬で殺してやろう」
05.終末の鐘が鳴る / 場違いに、命の音は軽かった。
--------------------予定調和
01.葬列 / 享年十四歳。
02.少女の朝U / 「いつも通り可愛いわよ。さすがお母さんの娘!」
03.愚かな夢に終始する / すべて呑み込め。誰にも言うな。
04.真綿の日々 / 口をついて出る滑らかなイタリア語を不思議に思うことはない。
05.あなたの無垢を祈ります / 「これだからマフィアはいけ好かない」
06.Tenebrism / 仕方が無いね、と九代目は緩やかに首を横に振った。
--------------------日常U
01.冬 / 少し足を延ばして、クリスマス市にも家族三人で行ってみた。
02.春 / くるりとカールした睫毛の先を、春風が優しく撫でていった。
03.夏 / 八月のバカンスは海岸の避暑地に行く予定だ。
04.そして、秋 / そしてまた、記憶にない季節がやって来る。