俺の友人の話をしよう

彼女の恋人は、名を東堂尽八という。



彼女と俺の好奇心の話 / 「・・・ずっと、好きだったんだ。俺と付き合ってほしい」
彼女と彼女の恋人の話 / なるほど、恋人がいるというのは本当らしい、と柳は心中でメモを取った。

彼女と彼女自身の話 / 彼氏の話をしている際に見せる笑顔が、ちょっと驚くくらいに可愛い。

彼女と彼女の恋人の人となりの話 / 友人の恋バナを聞くのは、案外悪くない。
彼女と彼女の遠距離恋愛の話 / 「・・・嫌いになったりはしないのか?」
彼女について俺たち男子の話 / 「目立たないけど可愛いって。控えめっつの? そこがいい」

まだ見ぬ彼女の恋人の話 / 私立箱根学園三年、自転車部副部長、東堂尽八。

彼女について俺と幸村の話 / 女子とは柳や幸村の想像外に生きている生物なのである。

彼女と彼女の悲鳴の話 / 「恋人に電話をしろ。今すぐにだ」
その日の彼女の恋人の話 / 美形が怒ると怖いと言うが、東堂はいつもが軽快な分だけギャップが酷い。
彼女と彼女の恋人のABCの話 / 「・・・なるほど。聞けは聞くほど彼氏力の高い彼氏だな」

彼女の恋人の主張の話 / 「違う! 違うぞ、真波! 俺は断じてロリコンなどではない!」

彼女について俺とテニス部の話 / 「でも女じゃろう? いつおまえさんに惚れるか分からんぜよ」
彼女と俺の噂の話 / 「最近、柳君と仲良いよね? もしかして付き合ってるの?」

彼女と彼女の恋人の容姿の話 / 「あ、いや、でもね、性格はちゃんとまっすぐで優しい人なんだよ?」
彼女の恋人が衝撃を受けた話 / 「俺はちゃらいのか!? 俺はちゃらく見えるのか!?」

彼女とロードレースの話 / 「私の声援が後押しして勝つような、そんな人にはなって欲しくないのかもしれない」
彼女と彼女の恋人のロードレースの話 / このすべてでおまえを愛しているのだと、そう伝えたい。
彼女と彼女の恋人のインターハイの話 / 「負けた俺たちに出来るのは、もうそれくらいなのだから」

彼女と彼女の恋人の誕生日の話 / 「新開、おまえ今『重い』と思っただろう!」

俺と彼女の恋人が会った日の話 / それが、柳と東堂尽八の生身での初対面だった。

彼女と彼女の指輪の話 / 幸せに溢れた表情に、淡いピンクの指輪はとても似合っていた。
俺と彼女の恋人のやり取りの話 / 『おお・・・! 柳君、やはり君は良い奴だ! 今度何か奢ろう!』



2014年4月20日